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『イザークおじちゃまはアリスの事嫌いなの？』
琥珀色の瞳に見つめられてイザークは言葉を詰まらせた。
どうかえせばいいのか。
返答に窮しているうちにアリスは泣き出してしまい、途方に暮れながらもなんとか「アリスが一番だ」との言葉を吐き出し少女をなだめた。
『よかった。アリスもね、イザークおじちゃまが一番好き。だからね、将来はおじ
ちゃまのお嫁さんになるの』
藍色の髪の少女が嬉しそうにそう宣言したとき、彼はその言葉の重みにまだ気がついてなかった。
× × ×
「きゃぁ！」
娘の部屋から叫び声が聞えてアスランは溜息を吐いた。
時計を見ると針は８時を指している。
この時間帯にあがる叫び声…つまり寝坊したという事なのだろう…。
「１５にもなって落ち着きの無い…。誰に似たんだか…」
「それは私の事を云ってるのかしら？」
背後に殺気を感じて彼は慌てて首を振った。
両親がそんな会話を交わしてるとは思わない娘は階段を二つ飛ばしで駆け降りてくる。
「アリス。夕飯は？」
「いらない。イザークおじちゃまと食べてくるから」
そのまま駆けていった娘とは裏腹に両親は顔を見合わせると重い溜息を吐いた。
02へつづく
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