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「伊波飛鳥は行きましたのね」
聞こえて来た旧友の声に結奈は振り返る。
「あなたは彼について行くのかと思ってましたのに」
「那須乃…心配してくれたの？」
「まさか。ただ……なんでもないですわ」
ふんと顔を反らしたものの耳まで赤くなっている。
「大丈夫。私にはまだここでやらなければいけない仕事があるもの」
執行部のこと。これからの郷のこと。まだしばらくは忙しく動かないといけない。
「それに、いま追い掛けたら私まで留年することになってしまうから」
美沙紀はぽかんと口をあけて結奈を見た。
「し…心配して損しましたわ。あなたはもともとそういう現実的な方でしたわね！」
心配してないと言っていたのにやはり心配だったらしい。
素直じゃない友の姿に笑みを浮かべるとありがとうと背中に告げた。
おわり
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