「だからって、どうしてここに逃げて来るんだよ」
　足元に頭を抱えてうずくまる片割れの姿にカガリは憤りを感じて拳をにぎりしめた。
「だって二人とも恐いんだよ」
　二人とはラクスとフレイのことだ。
　そのどちらに対してもいい顔することが出来ずエターナルにもＡＡにも居場所が無くなってクサナギのカガリのもとに逃げ込んだのだ。
「でもな、はっきりしないわけにはいかないだろ。どっちも苦手ならそう云うしかないだろう」
　ラクスもフレイもキラが好きだと云うことは朴念仁のカガリやアスランが見てもわかる。
　あまりにも凄まじい少女たちの姿にディアッカですら賭の対象にすることをやめている。
　ラクスはただ静かに、フレイは積極的に近づいてくる。そのどちらも大切だと思う故にキラは選べずにいるというのだ。
「あのさ…フ…フレイはサイに返して、ラクスはアスランにってだめかなぁ？あ、僕はカガリにって…」
「おまえなぁ……わたしにも殺されたいのか？」
　カガリは指を折り鳴らしながら片割れを睨む。
「あ、いや、その…ほら…」
「なにがほらだ！弟の分際で！」
「うわぁ、ごめんなさい！」
「馬鹿者！もう一度宇宙を漂ってこい！」

END
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