| 墓参りは終わった。 三人は並んで丘を降りながら言葉少なにプラントの作られた夕景を見ていた。 物寂しさを思わせる夕暮れをこの空に描き出した人は何を望んだのだろうか。 「夕飯はどうする？」 「「えっ？」」 ディアッカの言葉に二人が同じ答えを返す。 「だってこのままコイツを宿に送り届けてバイバイってわけにはいかないだろう」 「オレはそれでも別に…」 アスランの肩をディアッカは親しげに叩く。 「積もる話もあるだろう？」 「……あるのはオレじゃなくてお前だろう…ディアッカ…」 「御明察。いろいろ聞きたいことがあるんだよ」 肩を組んだまま顔を近づけてくる人にアスランは苦笑する。 何が聞きたいのか…大方の想像は着くのだが彼が望む通りの答えを今のアスランは持っていないのだが。 黙ったままのイザークは携帯を取り出すとおもむろに電話を始める。 「俺だ。レストランを予約してほしい。そうだ。三人だ。個室を頼む」 つっけんどんな言い方にも関わらず相手からは快諾が得られたのだろうか。口元に笑みを浮かべている。 それはアスランが見たことのない表情だった。 「アイツが誰に電話してるか知ってるか？」 「さぁ…」 「彼女だぜ。カノジョ。あのイザークを好きになって、我が儘に付き合うような女がいるんだぜ」 「……知ってるのか？」 「知ってるもなにも…同僚だよ。中では公私混同は避けるとか言ってるが、外に出ればアレだ。おれらが召還されたから部隊は突然の休暇。彼女もこっちに上がってきてるってワケ」 イザークの意外な一面にアスランからは渇いた笑いだけが漏れる。 「で、おまえとお姫様の間はどうなってるんだ？」 「オレ？」 「おまえだよ。おまえとカガリの間は？」 えーと…。アスランは頬を書きながらぽつりと告げた。 「プロポーズしてきた」 ディアッカは口をぽかんとあけ、イザークは切ったばかりの携帯を落としそうになる。 「アスラン！きさま！こんなところにいる暇があったらさっさと帰れ！」 おしまい |