「それでは失礼します」
　カガリに割り当てられた部屋に入ろうとするアスランを見てタリアが口をはさむ。
「あなたにも個別に部屋をご用意したけど」
　必要ないとばかりに首をふる青年にギルが注意しようとするがアスランは平然と「いつものことですから」と言い返した。
「お気遣いは嬉しいですが、このままで構いません。代表をお守りするのが私の役目ですから」
　扱く真っ当な内容にも思えるがどうも釈然としない二人にアスランは敬礼する。
「ではお先に失礼します。代表は私が隣にいないとゆっくりお休みになれないでしょうから」
　さらりと言い放った人物はドアの向こうへときえた。
　残された二人は困った様子で閉ざされたドアを見つめていたが、中から聞こえて来た声に諦めて部屋を後にした。
「さきほど、さらりと凄いことを言われましたね」
「うむ。若いというのは素晴らしいものだな」
「議長もお年ではないでしょう」
「そう思うかね。ならば」
「ええ。お若いとは思っておりますが、レイはダメですよ。大事なパイロットなんですから休息は充分にとらせないと」

おしまい