「おきろ！」
　突然毛布がはぎ取られ、寝ぼけたまま抗議の声を上げる。
「なにするんだ…」
「なにって起こしてるんだ。ほら、キラも毛布にしがみついてないで起きろ」
　容赦なくカガリは毛布をはぎ取る。
　それでも毛布を離そうとしないキラがずるずると引きずられてくると、カガリはその身体を思いっきり足蹴にした。
　
「痛いよ…」
　蹴られたことに苦情を言うキラを「鍛え方が足りないの」の一言で切り捨てる。
「…ひどいよ…僕は民間人なんだ。こんな扱いするなんて…」
「まだ寝ぼけてるのか？ほら、起きろ！」
　頬を両手でつまみ大きく揺さぶる。
「いらい…」
　キラの涙声が遠くに聞こえる。
「…ねむい…」
　昨日は夜遅くまでキラとバカ話をして……それから何をしたっけ？
　仁王立ちしたカガリを見ても何も思い出せない。
「アスラン！おまえもいつまでもぼけっと…」
　叱咤する声すらも気持ちよい。
　もっと気持ちよくなりたいと半ば混濁した意識の中で手を伸ばす。
　少女の細い身体を抱き寄せ、胸の谷間に顔を埋める。
「きもちいい…」
　次の瞬間、意識が飛んだ。

END
200312041134