「アスハはオーブの最大首長だがオーブがアスハの物というわけじゃないんだ」
　カガリは国章の入った書類を机の上に投げ出した。
「父上に対しては皆大人しくしていたが、私がアスハの長になったらどう出てくるかわからないさ」
　現に今こうしてカガリの下に届けられている書類には他の首長家の者のサインがなされている。
「小娘と侮られるのは悔しいが、のけ者にされる筋合いはない」
　少なくとも５首長家の長を一族で選んだ上で選挙にかけ、その可否を問うというのがオーブの政体だったのだ。
「オーブは権謀術数渦巻く国だが、それでもいいのか？」
　目の前に立つ人物に問いかける。
「そこがカガリの国なら」
　穏やかな笑みを浮かべアスランは答える。
「そうか…。なら覚悟してくれ」
「もちろんだ。誓っただろう。お前のことはオレが守るって」

END
200310011355