庭の片隅でハロたちに囲まれながらアスランはカガリたちのいる方をちらちらと盗み見ている。
「…アスラン」
　恋人を見て上の空になっている幼なじみの名をキラは呼ぶ。
「…アスラン」
　強く肩を叩かれてようやく気が付いたアスランは目を瞬かせながらキラを見た。
「どうしたの。急に黙り込んで」
　あからさまに顔をしかめるキラに黙って少女たちのいる方を示す。
「いいよな。ああいうの…」
　二人が並んで笑っている。
「オレはね。カガリが嬉しそうにしているだけで幸せな気持ちになるんだ」
　これからもそんなカガリの笑顔が見たいんだ。
　のろける幼なじみの横顔にキラはただ呆れて首をすくめた。

END