たまの休日。
　二人だけのデート。
　家に迎えに行って、それから二人でどこかに行って…。
　そうするはずだったのに…。
「カーガリ♪」
　はずむような声で背後からカガリに飛びついてくる人物がいた。
「キラ…。何のようだ？」
　カガリは抱き付いてきたキラの腕を解こうとするがなかなか外れない。
「別に。出かけるみたいだから声をかけただけだよ」
「だってさ」
　カガリは目の前に立つアスランを見やる。
　苦笑しているかと思えば、羨ましそうにキラのことを見つめている。
　それに気づいたキラは一層カガリを抱きしめ、幼なじみに声をかける。
「アスラン？」
「え、あ…。キラか……」
「アスラン、惚けてないでキラを引き剥がしてくれ」
　背後から抱き付かれたままでは鬱陶しくて仕方ない。
　そう抗議するカガリにアスランは素早くキラを引き剥がす。
「ほら…カガリが嫌がってるぞ」
　冷たい視線が投げかけられる。
「いいじゃないか。少しぐらい。兄妹なんだから」
「キラの甘えん坊。なにが兄妹だ。そんなにそんなに抱き付きたいなら他の子にしろ。カガリはオレのもの」
　アスランはカガリをぎゅっと抱きしめる。
「ちょっ…アスラン。やめろよ」
「嫌だ」
　ぎゅっと抱きしめ、触れる金の髪に口づける。
「こら、アスラン。やめろって」
　もがくカガリに「助けようか？」とキラが声をかける。
「当然だろう。このセクハラ男を何とかしてくれ」
「セクハラ？ただのスキンシップじゃないか」
「スキンシップ？おまえのは過剰すぎてセクハラって云うんだよ！」
　顔を真っ赤にして怒るカガリに対し、どうみてもじゃれてるようにしか見えないアスラン。
　その二人を引き離すべきかと考えたキラは二人まとめて抱きしめた。

END
200309142329