「なんで最初に言わないんだよ」
　額にタオルをのせたアスランは「面目ない」と返事をする。
「ったく…バカだなぁ。無理は禁物だぞ。この程度で済んだから良いものの」
　弱々しい声にカガリは呆れたと息を吐く。
　口では怒ったようにしているが、アスランのタオルを変えたり、手首を捕らえ脈を取るなど行動はかいがいしい。
「…ま…大丈夫か」
　脈は正常に戻ったし、熱も引いてきている。
　声はまだ弱いが、腕の方はきれいにひいてきている。
「まったく…苦手なら苦手ってあらかじめ言えよ」
「少しなら大丈夫だと思ったんだよ…。それに…カガリが旨そうに食べているから気になってつい…」
「気になってで食べて倒れるのはバカだろうが。調子悪くなったらすぐ言えよなぁ。真っ赤になるまで耐えて…」
　頬を膨らませるカガリにアスランはひたすら謝る。
「許してやるよ。しかし間抜けだよなぁ…。顔中に蕁麻疹なんて」
「うるさい」

END
200311261312